ノズル式加湿器の導入で塗料の濃度変化を抑制。塗装ムラ不良の発生を10分の1に削減
ノズル式加湿器の導入で塗料の濃度変化を抑制。塗装ムラ不良の発生を10分の1に削減
問題:
某樹脂成型の会社では、車両、デジタル機器、家電、OA 機器用の樹脂製品を製造しています。同工場ではその樹脂製品に色付け塗装や機能性塗料などの塗装を施します。
樹脂用塗料には、水性塗料、溶剤系共に用いており、成型後の塗装工程を経て完成品となります。
この塗装工程において冬場の乾燥期になると、特に揮発性の高い溶剤系塗料の場合、シンナーの揮発速度が高くなり、濃度が経時的に変化してしまう状況となっていました。結果として、塗装ムラが生じ、不良品発生へとつながっていました。
解決策:
通常、過乾燥や湿度保持を解決する方法としては加湿器が導入されます。塗装工程の場合は、塗装ブース内で局所排気を行っているため、加湿能力の高い加湿方式を検討する必要があります。
そこで同工場では、加湿能力が高いエアー噴霧式ノズル加湿器を採用。更に塗装ブース周辺を重点的に加湿するレイアウトにしました。ノズル式加湿器の場合、ノズルの向きを調整することで、加湿したいエリアを局所的に加湿することが可能な上に、ノズルの数や種類、条件を変えることで加湿量を変えることが可能です。また、適度な湿度を維持するために湿度センサーを連動させました。
加湿エリアが狭く噴霧距離が近いため、機器類を濡らしてしまうことが懸念されていましたが、粒子が細かいためその心配もなく加湿を行うことができました。
結果:
気化速度の速い微細ミストを塗装ブース周辺に送りこむことができたことにより、過乾燥を防ぐことが可能となりました。また湿度センサーにより適度な湿度を保持することができ、シンナーの揮発を抑制することができました。 その結果、均一な濃度の塗料をスプレーすることができ、塗装ムラによる不良品を大幅に削減することができました。
導入前 | 塗装ムラ不良品発生率 | 10~15% |
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導入後 | 塗装ムラ不良品発生率 | 1%以下 |
→ 約30万円/日 コスト削減