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スプレードライの品質を左右する!ノズル選びの重要性【食品産業編】


spray drying application

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11月 24



スプレードライとは?

スプレードライ(噴霧乾燥)とは、液体またはスラリーを微細な霧状にして乾燥させる技術です。 液体をスプレーノズルを通して噴霧し、高温のガスと接触させて急速に水分を蒸発させ、乾燥粉末を生成します。 この方法では、粒子サイズや球形が均一な粉末を生成できるため、保存や取り扱いが容易になるという利点があり、食品、医薬品、化学などのさまざまな業界で使用されています。 弊社のスプレードライノズルは、ミルク、ホエイ、コーヒー、イースト、スパイス、乳幼児用粉ミルク、石鹸や洗剤、染料や顔料、ファインケミカル、医薬品など、 あらゆる種類の製品のスプレードライに利用されます。

スプレードライの仕組み

  1. 原料液の準備
    スプレードライに使用する液体を用意します。この液体には、乾燥後に残る成分(例えば、タンパク質、糖、香料など)が含まれています。
  2. 噴霧
     液体をスプレーノズルを通して霧状に噴霧します。液滴のサイズや分布は、ノズルの設計や液体の圧力、その他の要因によって制御できます。液滴のサイズや一貫性は、乾燥効率や最終製品の品質に直接影響するため、このステップは非常に重要です。
  3. 乾燥
    噴霧された液体は、温風または熱風が流れる乾燥室に入ります。ここで、霧状の液体が急速に蒸発し、固体の粒子を形成するための水分が取り除かれます。製品の品質を維持しながら乾燥効率を最大化するために、空気の温度と速度は慎重に制御されます。
  4. 粒子形成
    水分が蒸発すると、固体粒子が形成されます。これらの乾燥した粒子は、気流によって乾燥室の外に運ばれます。
  5. 収集
    最後に、形成された粉末を収集します。乾燥室の底部に設置されたサイクロンやバグフィルターを使用して、粉末を効率的に収集します。収集後、粉末は通常冷却され、その後、必要に応じてさらに加工されたり、包装されたりします。

SprayDry Nozzles

ノズルがスプレードライ食品に与える影響

ノズルは最終製品の粒子サイズ分布に直結します。最終製品に求められる粒子径や粒度分布は、食品の種類や用途によって異なります。 ノズルの最適な選定により粒子サイズ分布を制御することで調整可能な要素について、以下に説明いたします。

溶解性と分散性

スプレードライ製品の粒子サイズは、液体中での溶解性に影響を与えます。 粒子が小さいほど、通常はより早く完全に溶けるため、ドリンクやプロテインシェイク、栄養補助食品など迅速に混ざる必要がある製品にとって重要です。

食感と口当たり

粒子サイズは、スプレードライにより生成された大豆タンパク質を含む製品の食感に影響を与えます。 粒子が細かいと滑らかな口当たりになり、逆に粒子が大きいとざらざらとした口当たりになることがあります。

機能性

粒子サイズ分布は、大豆タンパク質の乳化性、保水性、ゲル形成性といった機能にも影響を与えます。 これは大豆タンパクを用いて乳製品代替品、ベーカリー製品、肉類類似品を製造する際に重要になります。

均一性

粒子サイズが一定であることは、最終製品の均一性と一貫性を保つために重要です。 これは、異なるロットや生産プロセスにおいて、製品の品質や外観、性能を維持するために不可欠です。

生産効率

スプレードライの過程で粒子サイズを制御することで、乾燥速度、粉末の流動性、充填密度などに影響を与え、生産効率を最適化できます。 これにより、生産性を改善し、エネルギー消費を削減できます。

栄養成分および生理活性成分の保持

スプレードライは、大豆タンパク質に含まれる栄養成分や生理活性化合物の保持にも影響することがあります。 最適な粒子サイズ分布は、これらの敏感な化合物の保持を助け、最終製品の栄養品質を確保します。

包装と保管

かさ密度は、単位体積あたりの乾燥粉末の重量を指します。これにより、袋や容器にどれだけ粉末を詰められるかが決まり、必要な袋や容器のサイズが輸送や取り扱いコストに影響を与えます。 スプレードライノズルにより、ドロップサイズを制御することで、かさ密度を調整できます。

SprayingSystemsのSprayDryノズル

スプレードライノズル

上記で説明した通り、ノズルはスプレードライにおいて非常に重要な役割を担っています。弊社はスプレードライにおけるパイオニアで、1940年代に最初のスプレードライ用ノズルを開発しました。 70年以上にわたる実績を持つ私たちが自信を持っておすすめるSprayDryノズルの優れた特徴ご紹介いたします。

目詰まりの軽減とメンテナンス時間の短縮

弊社のSprayDryノズルは、最大異物通過径(MFP)を考慮して設計されており、最大異物通過径機能により、ノズル内部での物質の蓄積を防ぎ、目詰まりのリスクを大幅に低減します。 目詰まりは頻繁な清掃やメンテナンスのための非効率な停止を引き起こし、時間と資源の浪費に繋がります。 SprayDryノズルは目詰まりを防ぎ、スムーズで効率的な稼働を実現し、全体的な生産性を向上させます。

さらに、SprayDryノズルは、安全リスクに対処するために先端の固着防止設計を採用しています。 ノズル先端への粉末の堆積は、ノズル先端を塞ぐ原因となり、生産を妨げるだけでなく、安全リスクも引き起こします。 深刻な場合、この堆積物が熱を帯びて、乾燥室内で火災を起こす可能性もあります。ノズル先端への固着の可能性を最小限に抑えることで、より安全な作業環境を維持できます。

また弊社のSprayDryノズルは手締め設計のため、特別な工具を必要とせず、メンテナンスの時間と労力を削減します。 これらの特長により生産の中断を防ぎ、生産性向上と運用コストの削減に貢献します。

耐久性と長寿命

弊社のSprayDryノズルは、タングステンカーバイドやステンレス鋼などの耐久性の高い素材で作られています。 高圧と高温の条件下でも耐えることができ、ノズルの寿命が長いため、交換やメンテナンスの必要が減り、結果としてコストの削減と作業効率の向上につながります。